(以下の長文を一文でまとめた主旨)「新しいSNSに参加するときは、お友達と誘い合わせて参加してね」
皆さん、SNSしていますか?
SNSと言えばTwitterというイメージですが、ソーシャル・ネットワーク・サービスというジャンル(?)の名前があるように、なにもTwitterだけを指す言葉ではありません。世の中には色々なSNSがあります。
しかし、現在巨大なSNSとしてTwitterが君臨しています。ネットで活動している人の多くがTwitterにアカウントを持っていることでしょう。
昔は知っている人だけが使っているサービスだったTwitterも、有名人が使い始め、あなたの知り合いが使い始め、多くの人が使い始め、公共機関までもが告知用アカウントを持っていたりします。
そうしてTwitterの人口が増えるとどういう変化が起きるかというと、リアルとネットという区別がなくなり、ただの道端と同じになってしまうのです。ただの道端なら、地理的な制約から近くの人としか知り合えないですが、Twitterなどネットでは遠くの人の言葉も受け取れます。
ネット空間を経て人と人の距離が近くなったことで、今までリアルでは出会えなかった人達とも出会えるようになりました。しかし、それは良いことだけではありませんでした。Twitterは、一度に多くの人間を体育館に閉じ込めたような、騒がしい空間となりました。
少し昔を思い出してください。学校のクラスに、数人は気が合わない人がいませんでしたか? クラスで気が合わない人が数人いるということは、あなたの町には数十人、あなたの市には数百人、日本だけでも数万人以上はいるでしょう。
気の合わない人が話している会話が、聞こえてくるだけでイライラしたりしませんでしたか? そういう人達が運動場に出ていたり、別のクラスに行ってあなたのそばに居ないとき、落ち着いた心を取り戻したりしませんでしたか?
リアルで人と人との距離に気をつけなければいけない最近ですが、それは心についても同じことなのです。
「みんな仲良く」なんていう学校の先生もいたかもしれませんが、全員と仲良くすることなんて到底無理な話なのです。耳に入れたくない会話をする人をブロックしたりされたりしていたことは、わたしの作ったぶろるっくで分かりましたよね。
さて、そんな巨大SNSであるTwitterそのものも肌に合わないという場合があります。
最初に書いたように、他にもSNSがあります。そこで数年前に話題になったマストドン。
mstdn.jpが有名ではありますが、この記事のタイトルに「分散SNS」とあるように、マストドンはただのSNSではありません。分散SNSという呼ばれ方をします。
分散しているSNS。SNSがあちこちに散らばっています。昔を知っている人なら、それって掲示板とどう違うの?と思うかもしれませんが、分散SNSはSNS同士が緩く繋がっています。
先に書いたmstdn.jpや、以前pixivが立ち上げて現在ラッセルが運営しているpawoo、他にも色々なサーバがあります。そう、マストドンはSNSの名前なのではなく、分散SNSのソフト名なのです。マストドンだけでなく、misskeyと呼ばれるソフトやpleromaというソフトも繋がります。そこで分散していることの何が良いの?という疑問が出てくるでしょう。
それは運営方針が異なるSNSが同時に存在できるというところです。例えばTwitterでは会社のあるアメリカの法律に則って運営されています。かわいい女の子の漫画を投稿したらアカウントが停止されたという話を聞いたことがあるかもしれません。日本ではその絵は法律に触れないのに。
こんな感じに、SNSでは使うための決まりというものがあります。
分散SNSとして運営されているサーバ達にも、色々な決まりや方針や、作られたときの想いがあったりします。普段SNSを使っているときには、あまりそういうことを意識していないかもしれませんが、それらの想いに寄って集まった人達によって、サーバ毎に「空気」が違ったりします。
そしてこの「空気」、サーバに人が多いほどリアルに近づき・・・Twitterに近づいてしまうのです。
じゃあ意味ないじゃんとなりますが、待ってください。さっき書いたようにサーバが分散していて緩く繋がっているので、別のサーバに移動してもフォローしていた人を別のサーバからでもフォローできるのです。これも分散SNSの利点です。
ここからが本題。長かった。
Twitterと少し違った空気のSNS、分散SNS。ちょっと興味を持って覗いてみようと思ったとき、注意点があります。
あなたがTwitterを使い始めた切っ掛けは何でしたか? 有名人が居たから? 知り合いが居たから?
大昔のTwitterと違って、最近Twitterをしている人達は、Twitterを始めたときにフォローしたい人が最初から決まっていませんでしたか?
これはどのSNSでも、リアルでも同じだと思うのですが、興味のある人達の話は楽しく聞けても、興味の無い人達の話はちっとも面白くないはずです。
数年前にマストドンが話題になったときもそうですが、多くの人がTwitterに帰っていきました。そりゃそうです、よく分からない人達の、お互いの状況を分かった上で繰り広げられるハイコンテクストな会話を見ても、楽しさは分からないでしょう。初めての人達の中に飛び込んでやっていくには、コミュニケーション能力がかなり要ると思います。
そこでまずは、Twitterの気の合うフォロワーにも声をかけて分散SNSでも似たフォロー状態にしてみることです。
慣れた人達と一緒に使うことで、操作に慣れてみたりすると良いでしょう。
参加したサーバにもよるのですが、多くのサーバで「ローカルタイムライン(LTL)」というものがあるかと思います。
このLTLというのは、同じサーバに参加している人達の投稿が流れています。
ここから、「そのサーバの空気」が感じ取れるでしょう。ものすごいスピードで流れていて、みんながバラバラな事を話しているとき、そのサーバは人口が多くて特にジャンルに関係の無いサーバでしょう。みんながオタクっぽい話をしていればオタクが多いサーバですし、酒の話が多ければ酒好きが多いですし、バイクの話が多ければバイク乗りが多いサーバでしょう。
サーバによっては、LTLの雰囲気が合わなかったり、そもそもそういうのを見越してLTLが存在しないサーバもあります。
そうなると「連合タイムライン(FTL)」というところから、気の合いそうな人を探してみるのも良いかもしれません。しかしFTLはLTL以上に早い速度で流れていて、雑多で難易度が上がってしまいます。無理にフォロワーを増やすよりも、LTLも非表示にしてしまって、最初にフォローし合った人達と「ホームタイムライン(HTL)」に引きこもり、Twitterの喧噪から離れてしまうのもお薦めです。
あとはフォロワーが共有してきた投稿から新しい人を少しずつ探していくのも良いかもしれません。
分散SNSのサーバによっては、特定のTwitterクライアントの利用者が集まったサーバだったり、特定の学校の卒業生が集まったサーバだったり、既に存在したコミュニティが母体となっていることもあります。
Twitterで言う「クラスタ」でまとまってフォローし合うと、同好の士との会話が楽しめるかと思います。
最初にアカウントを作ってみるサーバとしては、やはり
https://mstdn.jp/
本当にいろいろな人がいるので、新しい人を見つけるのは大変かもしれません。マストドンの標準機能なので、使い方に慣れてみるのには良いと思います。
絵を描いたり、創作する人なら
https://pawoo.net/
pawooに上がっている絵なら、本人が描いた絵だろうという暗黙の了解的なものが個人的にあります。
マストドンとは違う雰囲気を試してみるなら
https://misskey.io/
Misskeyという別の分散SNSの最大手です。
マストドンに機能追加されているサーバとして
https://fedibird.com/
LTLはありませんが、一通り慣れた後にアカウントを置く人も多いようです。
また、タイムラインに流れてくる人達のアカウントを見ると、 @アカウント名@ドメインとなっています。ドメイン部分をブラウザに入力してみれば、新しいサーバの発見に繋がるでしょう。
サーバによっては寄付を受け付けているところもあるようです。多くのサーバが管理者の持ち出しで運営されていたりします。自分の居場所を維持するという意味でも、寄付に協力してみることをお薦めします。
ほかにも自分でサーバを作ってしまうという方法も有ります。その場合、サーバの管理は自分や仲間達と行うことになるでしょう。
一からサーバを用意するには、システムに関する多くの知識が必要となってしまうため、かなりハードルが上がってしまうのですが、サーバを貸してくれるサービスもあります。
https://hostdon.jp/
日本人によって運営されているので、日本語でのサポートが受けやすいでしょう。
https://masto.host/
外国の人が運営していますが、こちらのサービスを使っている日本の人もいるようです。たぶん英語力は必要です。
わざわざサーバを作らなくても、たいていの場合はどこかのサーバのアカウントで満足できるでしょう。
しかし、こうして自分でサーバを作ってしまえば、自分専用のサーバも可能です。周りからどう言われようと、そのサーバのルールは自分です(ただし法律の方が強い)。
難しいかもしれませんが、Twitterより健全なサーバを目指してみるのもいいでしょう。自分のサーバに相応しくない他のサーバのアカウントを見えなくすることだってできます。もちろん逆もあり得ます。
そうして「こちらに影響のない範囲で、存在することは許す」という不干渉ができるのが、分散SNSの強みでもあります。
分散SNSでの活動が、あなたの平穏な生活になりますように。
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