12月 01, 2022

開通前の道路が好き(運輸・地理関係 Advent Calendar 2022)

運輸・地理関係 Advent Calendar 2022の1日目です。

交通機関・地理・おでかけあたりのネタで、なんでも良いと言うことだったので、その辺に関する好き話を少し。

タイトルにも出ていますが、わたし、開通前の道路が好きなんですよ。
それも、特に衛星写真で見るのが大好物です。

これだけではよく分からないと思うので、順番に出していきましょう。

スクリーンショット

大阪府の北部、茨木市の山奥です。
このあたりは、神戸と名古屋を結ぶ名神高速道路を補う目的で新しく作られた、新名神高速道路が通っています。
2017年末に開通したのですが、高速出入り口のそばの山を切り開いた中に、物流センターを建てて、京阪神の物流拠点にしようという感じみたいです。
高速道路は開通したものの、街作りの方が追いついておらず、衛星写真を拡大してみるとまだ道路に白線が引かれていなかったり、土のままだったりします。

このあたりは、南東部分に安威川(あいがわ)ダムも建設中で、高速道路が開通する前から谷底を縫うように走っていた府道46号線の付け替えをしつつ、高速道路へのアクセス道路にする工事が行われていたりしました。

このように、工事の具合を眺めることで街作りの方向性が見えてきたりします。
次のものを見てみましょう。

スクリーンショット全体 スクリーンショット大阪側スクリーンショット奈良側

大阪と奈良の間は、いくつかの国道で結ばれているのですが、その中でも一番北側に位置する国道163号線のバイパス工事現場です。
このあたりは、元から対面通行の国道163号線がありました。写真にある太い道路に沿ってクネクネとしている道です。
昔ながらの曲がりくねった危険な峠道を、4車線の高規格道路にしようということで、新しく建設されています。
大阪側はかなり工事が終わっています。写真にある川が流れているあたりで工事が終わっています。
そう、この川を境に大阪府と奈良県が分かれています。
奈良県、全然工事進んでないじゃん!
地図を東(右)に進めると、300mほど工事がされている区間があったりしますが、ここに繋がるのは果たしていつになることやら。

こんな感じで、地域によって道路に対する温度感みたいなものが感じ取れたりします。

次はスクリーンショットを出してみましょうか。次の写真にも、工事中の高速道路が映っています。どこか分かりますか?

見つけ方のポイントは、GoogleMapsの高速道路を表す黄色い線が、途中で不自然な終わり方をしている場所です。

答えは↓

操作しやすいGoogle Mapsも貼っておきましょう。

スクリーンショット

新名神高速道路の滋賀と京都を結ぶあたりです。
最初に挙げた土の道路はまだ道路の形をしていましたが、このあたりはとりあえず木を伐採しましたという感じです。場所によっては伐採もされていなかったりしますが、全く手つかずの部分はトンネルになる可能性が高いです。
こういう画像を見ると「地図に残る仕事」って、壮大ですごいなという感じしませんか?

この「山の中を伐採して進む道」という点では、東名阪自動車道の工事現場もなかなか見物でした。
東名阪自動車道は田園部分を貫いていく箇所があるのですが、用地買収が終わって農家の持ち物ではなくなった田んぼという状態が存在しました。
農家が管理する田んぼと、農家の持ち物ではない田んぼには、稲が植えられているかどうかという違いが現れます。
道路を作る人は稲を植えないですし、自分の持ち物じゃなくなった田んぼにも稲は植えないですもんね。
その場所が今どうなっているかというと・・・。

スクリーンショット

はい。もう完成しています!その様子は見られません。
Googleストリートビューは、古い年代の写真が見られたりしますが、今のところGoogle Mapsの衛星写真は新しいものだけなんです。
国土地理院が公開している年代別航空写真もありますが、撮影間隔が結構長いようで、場所によっては肝心の部分が写っていなかったりします。
今回の場所は、なんとか国土地理院の写真にも収録されていました。


リンク:https://maps.gsi.go.jp/#17/35.029359/136.515625/&base=ort&ls=ort&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

どうですか、このコントラスト!うっとり来ますよね。
土地の境界線らしい縁取りがないところもあるのに、稲の生え方で境界線が見えてしまう。
人の営みに食い込んでくる道路という景色が思い浮かびます。

わたしが関西に住んでいるので、関西方面の工事現場をいくつか挙げてみましたが、日本全国で道路の建設が行われています。
各自治体の道路課や施設課あたりや、高速道路ならNEXCOのサイトに掲載されていたりします。

新しい道路ができると暮らしが便利になり、一瞬で通り過ぎてしまいますが、この道路ができる前はここはどんなところだったのか、なんてことに少し思いを寄せてみると、そこに住んでいた人・自然にありがたみを感じるかもしれません。


0 件のコメント:

コメントを投稿